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淺田まめ知識

14 レボミル🄬のビーズの挙動と分散性について

1.はじめに

レボミルは、アジテータとベッセルを同方向に回転させることにより、同じ相対周速でもビーズに与える遠心力の大きさを調整することができ、従来機よりも幅広い運転が可能である。
Column9 レボミル®のビーズの挙動」において、レボミルのビーズの挙動を確認したが、同じ相対周速であってもアジテータとベッセルの回転数によって、ビーズの分布は大きく異なっていた。
今回、試料に酸化チタンを用いてレボミルを運転し、回転数の違いが分散性に及ぼす影響を調べた。

2.実験方法

① レボミル(型式RV-L) を下記条件で運転した。

レボミル運転条件

相対周速
4m/s (回転数は表1 参照)
使用ビーズ
ジルコニア¢ 0.1mm 80 %充填
試料
酸化チタンスラリー(10wt%) 2kg
※高速撹拌機DESPAで予備撹拌
【配合】酸化チタン(JA-1) ※1 :水:分散剤(アロンT-50)※2 = 25:224:1(重量比)
  • 1.テイカ株式会社製
  • 2.東亜合成株式会社製

表1. 運転条件表

No. アジテータ
回転数
(rpm)
ベッセル
回転数
(rpm)
相対周速
(m/s)
送液量
(g/min)
A 1,000 200 4 1,700
B 1,200 400 4 1,700
C 1,600 800 4 1,700
D 2,000 1,200 4 1,700

② 得られた分散データを比較した。

3.結果と考察

図1 に投入動力と粒子径の関係を示す。なお、粒子径は堀場製作所製LA-960 を使用して測定した。
図より、アジテータとベッセルを高速回転させたC、D の分散性が他より劣っていることがわかる。ビーズが受ける遠心力が液流れ方向の力よりも大きく、ベッセル内壁付近でパッキングした状態であったと推測できる。またこの状態は、「Column9 レボミル®のビーズの挙動」のNo.3 、No.4 に近い状態だと考えられる。

図1 .投入動力と粒子径の関係

4.おわりに

レボミルは、同じ相対周速運転であっても様々な回転数で運転可能な装置である。
このことから、小径ビーズを用いた低周速かつ高吐出運転時であっても、ビーズが出口側に偏ることなく安定した運転が行えるが、液の流れに対し遠心力が大きすぎるとベッセル内壁付近でビーズパッキングが発生し、分散性能が低下するおそれがあることがわかった。回転数の設定は液の性状にあわせる必要がある。

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